大学職員は残業なしって本当?
転職情報などを調べていますと、「大学職員は残業もなく楽勝!暇!」といった情報が溢れています。
そのような情報を見ると、今残業に苦しんでいる方は特に、そんな夢のような職業に就きたい!と思うでしょう。
しかし、それは本当なのでしょうか・・・?
ネット上では、逆に「楽なんて嘘だ!」「今日も深夜帰り・・・」なんて声も聞こえてきます。
このように両極端とも言える情報のある大学職員。
そこで、今回は現役の大学職員が「大学職員の残業事情」をご紹介します!
残業なしの業界を探している・知りたい方、そしてその流れで大学職員に興味を持った方はぜひ参考にしてくださいね!
現役大学職員が暴露!大学職員の残業事情
それではいきなり結論からなのですが、大学職員全体を見ると、残業はそこそこあります。
いきなり期待を裏切ったのですが、まだもう少しお付き合いください 笑
例えば、私の例ですと、夏休み期間を除き、月平均で20時間ぐらいは残業しています。
また、大学職員はいわゆる季節労働者的ですから、入試の時期や年度末・年度初め辺りの繁忙期は50時間前後の残業になってしまうこともあります。
これを多いと思うかどうかは皆さんの判断ですが、まずは個人的な状況をお伝えしました。
なお、Twitter等で検索すると多くの大学職員が残業についてつぶやいていますが、そこから判断すると、私以上に残業している方はたくさんいるようです。(終業が深夜になっていたり、月100時間越えといった内容もありました。)
つまり、私個人の事情だけでなく、大学職員全体として、「残業はそこそこある」と考えていた方が入職後のギャップはないと思います。
ただ、「大学職員辛い・・・」的な情報の方が拡散される傾向が見られ、あえて「大学職員は楽!」と呟く方の方が少ないでしょうから、一定のバイアスがかかっていることには留意する必要があります。
個人単位で見れば、ほぼ残業をしない大学職員もたくさんいます(詳細は後述)
残業代原則全額支給が唯一の救い
ちなみに、大学職員の残業について、実は私はそこまで嫌じゃありません。
なぜなら、なかなかいい小遣い稼ぎになるからです 笑
残念ながら?近年は残業規制の波が大学職員にも及んでおり、そもそも残業が一定時間以上許されないケースもありますが、それでも残業した分はしっかりと残業代を頂いております。
大学によると言われたらそれまでですが、大体60時間分ぐらいまでは普通に認めてもらえるケースが多いようですし、残業代を全くもらえないといった大学は聞いたことがありませんね。(それでももらえてない!という方は、何らかの圧力で申請できないといったことなのでしょう・・・ブラックすぎ)
私は投資系大学職員を名乗っているだけに、お金のためならある程度頑張れるので、そこまで残業を苦に感じたことはありません。(たまには疲れた・・・ぐらいは呟きますが 笑)
なので、今残業に苦しんでいる方の中でも、残業してもその見返りがないことに不満を持っている方には大学職員が刺さりそうですね!(逆に思ったほど残業がない・・・と悩みそうですが 笑)
なお、残業をよくしている私ですが、当然ながら残業を必ずしも良いものだとは思っておりません。
定時でしっかり帰り、家族サービスに副業に、プライベートを充実させた方が良いに決まっていますよね。
しかし、それでも私が残業を厭わないのは理由があるのです・・・
残業なし!定時帰り!も実は嘘ではない?
私が残業をする理由は、ズバリ、出世を狙っているからです。
大学職員のように仕事の成果が曖昧な職業は、大学のため・上司のために働いたものが評価されます。
そのように考えると、目の前に仕事が残っているとすれば、積極的に取りにいく以外の選択肢はないのです。(もちろんダルいですよ 笑)
このような感じで評価のために溜まった仕事を処理していたら、確かに残業にもなりますよね。
・・・ここで賢い方はふとある考えが思いついたのではないでしょうか?
出世とか一切気にしないとしたら、どうなるのだろう?と。
今回最も伝えたかったのは、まさにこのポイントなのです。
ネットでは、「大学職員は暇!楽!」という情報が流れていて、一方、私を含めそこそこ残業している職員もいる。
これはどちらかが嘘をついているわけではなく、実は両方とも本当だと私は考えています。
つまり、自身の能力・スタンス次第で「残業なし(少ない)」という人も確かに存在するのです。
なお、これは、子供がいて時短勤務であるとか、病気のためといった特別な事情がある方の話ではありません。
通常の職員であっても確かにいるのです。
個人的な見方としては、主に3パターンですね。
優秀職員
まずは、優秀すぎて仕事の処理が早く、結果的に定時帰り〜残業少なめが実現できてしまうタイプです。
定時帰りに命をかけているようなタイプも多く、しっかりと仕事をこなした上でササっと帰っていくパターンですね。
これはもう1番の理想形ですね。
大学職員に限らず、残業をしたくない全ての人はまずこの理想形を目指しましょう!
ただそうは言っても、正直こんな人はごくわずかです。
確かにこんな人はいます。ただ、仕事ができる人には往々にして更なる仕事が降ってきますので、本当の超人以外はいずれアップアップしてきます 笑
周りに仕事ができるのに帰りが早い方がいたら、仕事の仕方を真似てみると本当にいいですよ。
これで上司・同僚ウケも良いとしたら、もはや神です。
ちなみに、いいか悪いかは別として、こんな優秀なかたが必ずしも出世するとは限らないのが、大学職員の七不思議です・・・・ 笑
問題職員
次はいわゆる問題職員です。
このパターンもどこだって一定数いると思います。
シンプルに能力的な問題で仕事ができず、簡単な仕事しか任せることができないため、仕事量がどんどん減っていくパターンです。
この場合、仕事が純粋に少ないので、非常にゆとりがありますし、残業をしてまでする仕事がないということになります。
このパターンの人は意外と自分が無能であることに気づいていないため、「大学職員って楽勝だな〜」と話回っています 笑
ちなみに、このパターンで仕事がほぼないのに残業代目当てで残業する人はさらに悪質なパターンでしょう 笑
窓際職員
そして、最近急激に増えてきたと感じる人種が「窓際職員」です。
「働いたら負け」という価値観が広がって、今や総合商社等でも話題になっているみたいですが、大学職員にもこの考えをもっている方が増えていると考えています。
どうせ同じ待遇なのだから、それなら限界までサボった方が得だということですね。
とんでもない!と思う方も多いと思いますが、大学職員という職業でこれが通用してしまうという実情もあるんですよ。
先ほど少し触れたように、大学職員という職業はその評価が曖昧です。
営業職等のように、いくら売り上げた!といった明確な評価基準がないのです。
もちろん各部署に応じた目標を設定し、それに基づいて評価を行うといった取組みは大学でも広がっていますが、その評価が劇的に処遇に反映されているかというとそこまではいっていない大学が多いのではないでしょうか。
つまり、限界までサボったとしても、ダメージは微々たるものなのです。(同僚からしたらたまったもんじゃないですが・・・)
最近の方はこの特質をしっかりと理解して入職しており、初めから出世なんて考えてもいないので、とにかく楽してやろうという発想が多いです。
このような発想で仕事をするならば、そりゃ残業なんてやってられないですよね 笑
もちろん真面目で勤勉な多くの大学職員によって大学が支えられているのは事実ですが、こういう人が実際にいるのです。
ネット上で活躍?している大学職員には、仕事以外のことに打ち込んでいる方も多く、特に仕事を軽視する発言が多い方は、このタイプが多いのではないかと予想しております。
賛否両論があるにせよ、自分の人生を最大限謳歌するというミッションを考えると、この生き方も人によっては大いに正解です。
大学職員全体を考えると、残業は確実にあると断言できます。
しかし、全員が残業をがっつりしているのかといえば、その答えはNoです。
「残業をしない大学職員になる!」と腹を括ったのならば、大学職員には残業をしない生き方のできる環境があります。
残業するもしないもあなた次第!自分で選べるのが大学職員の魅力
私のスタンス的に残業しない人を批判しているようになってしまいましたが、全くそんなことはありません。
私はあえて残業を厭わないスタンスであるものの、いわゆる「ホワイト企業」に魅力を感じて大学職員になっていますし、パラダイスな環境(言い換えれば構造的な欠陥)があるなら、それを徹底的に利用するのも当たり前だと思います。
つまり、残業しなくても許される(ダメージの少ない)環境が大学職員にあるのなら、それを求めて大学職員になるのも間違いではなく、大正解だと思っています。
一方、頭ではそうわかっていても、実行に移すのは意外と難しいということはお伝えしたいです。
能力はあるのにあえてセーブして仕事をする窓際職員タイプは職場で嫌われているケースも多いので、どんなに周りに嫌われても気にしないというメンタルの強さが求められます 笑
確かに残業しなかったら上司から罵倒され、給料大幅カット!なんてことにはなりませんが、皆さんは同僚が残業していようがバッサリと自分だけ帰ることができますか?
これは部署にもよりますが、締め切りのある重要な仕事を投げ出して、定時だから帰ります!ができますか?
完全な窓際職員を目指すのも実は難しいのかなと個人的には感じますが、おそらく、今はこれができる方が増えてきているのだと思います。
前述の通り、私は上司からの印象を重視しているため、上記のような振る舞いがなかなかできないのですが、あくまで仕事だからと非情になれるのならば、確かに大学職員は残業が少ない(≒少なくすることができる)と思います。
繰り返しになりますが、残業をしたほうがいい・しないほうがいいと言いたいわけではありません。
大学職員という職業には、どちらでも選ぶことができるある種恵まれた環境があるということを言いたいのです。
残業”しない”大学職員を目指してみよう!
今回は大学職員の残業について私の見解を説明させて頂きました。
まず、大学職員でも残業は普通にあります。
ただし、同時に、残業をしない大学職員というのも確実に存在します。
いわゆる優秀職員と問題職員は別として、戦略的に「窓際職員」を選択している方が一定数いるというのが私が最近確信を強めている大学職員の実態になります。
個人的には頭でわかっていても、窓際職員になるのはなかなか精神力が試されるな〜と感じますが、使えないやつが即クビになるような業界ではないので、選択肢としてはありですね。
あと、当然ながらいずれかのタイプになりきらなければいけないことはなく、「普段はほどほどに働き、勝負どころは全力で仕事する」といった折衷案タイプも極めて良いですよね。(むしろ万人向けの理想像はこれなのかもしれません)
私も残業をするタイプとはいえ、何か予定があれば定時で普通に帰りますし、普段頑張っていれば、何か言われるようなことは一度もありません。
時期によって残業があるとしても、何かあればちゃんと帰ることができるだけで残業に対する不安感は減ると思いますよ!(いつも残業とか、予定があるのに、帰れない・・・が精神的に辛いですもんね)
そして、残業はあったとしても、夏休みをはじめ、休暇をがっつりとれるのが大学職員の魅力です。
残業にかかわらず、メリハリのある人生を送れる職業であるのは間違いないと断言できますので、興味が湧いてきた方はぜひ大学職員を目指してみてくださいね!